
小学校の入学準備をはじめよう!
ひらがなの読み書きを楽しく学ぶ3つのステップ
クリスマスをはじめ、お正月など季節のイベントやお誕生日などの記念日に、子どもと一緒に手紙やカードを贈りたいと考えるママやパパもいるのではないでしょうか。
「手紙を書く体験には、子どもにとってたくさんの学びや気づきがあるんです」と語るのは、ことばを使うコミュニケーショントレーニングの教室「ことばキャンプ」を主宰する高取しづかさん。手紙が持つ魅力や、保護者ができるサポートについて教えてもらいました。
クリスマスやお正月は手紙を書くチャンス!
「手紙は伝える相手が明確だからこそ、気持ちを伝えやすく、書きやすいという特徴があります。それに、離れて暮らす家族や、保育園、学校のお友だち、一緒に住んでいる家族に自分の思いをのせた手紙を贈ることって素敵なことだと思います。
実際に、わたしも娘たちから届いたカードを大切にとってあります。今は孫からくる可愛らしいカードを楽しみにしています。
まだ文字がうまく書けないというお子さんは、絵手紙からチャレンジしてみるのもいいかもしれません。グリーティングカードであれば、長い文章を書く必要がないので取り組みやすいですし、家族みんなで1枚のカードに寄せ書きのようにしてメッセージを書くのもおすすめです」(高取先生)

ほかにも、遊びに誘われたり何かをいただいたりしたときに送るサンキューカードもおすすめ、と高取先生。
「手紙を出すタイミングは、イベントだけではありません。私は、家族と共にアメリカに暮らしていましたが、海外だとカードを贈り合う文化が根付いているんですよ。
手紙やカードの魅力は、もらう側だけでなく、贈る側も嬉しい体験ができるという双方向のコミュニケーションにあると思います。ワクワクするポイントは、相手のことを思い浮かべて文章を考えるところや、ポストに投函する瞬間…だけではありません。
受け取った相手から『ありがとう!うれしかったよ!』という言葉をかけてもらったときの喜びや、届いたお返事を開封するときのドキドキを感じるところまで、うれしいことがたくさんありますよね」(高取先生)
ひらがなの練習にぴったりなドリルやワーク
特に未就学児のお子さんの場合、手紙を書くことは文字を書く機会にもつながる、と高取先生。
「このとき大切なのは、子どもが自ら楽しんで取り組むということ。無理に字を書かせようとすると、逆に嫌いになってしまうことも。
『大好きなおじいちゃんおばあちゃんにお手紙を贈りたい!』『文字を書いてみたい!』というワクワクした気持ちが芽生えたり、目標ができたりしたら、学習に取り組むチャンスかもしれません。
誰に言われるでもなく、子どもが進んで取り組む。そして何より、楽しみながら読み書きの体験をするのがベストです。ぜひ、お子さんの『やってみたい』というポジティブな気持ちを、さらに引き出してあげましょう」(高取先生)
書いて、送って楽しい便箋やグリーティングカード
カラフルな便箋やかわいい封筒を選ぶことも、手紙を書く楽しみのひとつです。親子で文房具店などに行って、好きなレターセットやグリーティングカードを一緒に選ぶのもおすすめと高取先生。
「自分の好きな便箋や封筒、カードを選ぶところから任せてみるだけでも、子どものモチベーションがぐっと上がります。
『どれにしようかな?』と相手を思い浮かべながら選ぶ時間も、とても楽しいですよね。その瞬間から、手紙を書くことの楽しさが始まります」(高取先生)
お気に入りの絵本のキャラクターが描かれたレターセットも、やる気をアップさせるおすすめアイテム。親しみのある絵柄の便箋やカードで手紙を書くことで、楽しみながら言葉に触れるきっかけになりそうです。
家族のコミュニケーションツールとして
普段一緒に過ごしている身近な家族と、気持ちを伝え合うツールとして手紙を活用するのも、素敵なアイデア。親子の絆を強くする機会にしてみませんか?
「お誕生日など記念日の『おめでとう!』という気持ちはもちろん、感謝の気持ちや仲直りのメッセージなど、自分の気持ちを改めて、言葉にしてみるのもいいですね。
もし、うまく言葉で表現できない様子が見られたら、子どもの気持ちを引き出すような問いかけをしてみるのもひとつの方法です。
『あのとき、どんなふうに思った?』『どんなことを伝えたい?』と、子どもが具体的に考えられるような質問を投げかけてみてはいかがでしょうか。
ただし、あまり一方的に質問を投げかけると、尋問になってしまうので、自然な会話の流れで聞くこと。あくまでも、子どもが主役ですから、楽しく取り組むことを大切にしてほしいですね」(高取先生)楽しみながら親子で手紙を書こう
手紙は、子どもたちのコミュニケーション力や表現力を磨くことにつながるだけではありません。これから社会に出ていくにあたって必要な思考力のベースになる、と高取先生は続けます。

「『文字を書く』『言葉を紡ぐ』という行動は、『考える』という行動に直結しています。
私たちは、文章を書くとき、『どうやって書こう』とか、『どういう風に表現したらいいかな?』と、頭の中で組み立てたり、推敲したりしますよね。この思考の積み重ねによって、子どもの語彙力や文章力が育っていくのです。
そして、何より大切なのは、楽しい『読み書き』の体験です。お手紙やカードを贈り合う機会で生まれる『書く・送る・受け取る』楽しみや、自分の気持ちが相手に届く喜びを、ぜひ親子で味わってもらえたらうれしいです」(高取先生)
