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  • 子どもの書く力を支える!えんぴつ特集

    「自分の名前を書けるかな?」「読み書きにつまずいたらどうしよう…」。小学校に通う前の文字にまつわる心配ごとはつきません。

    そんななかでも、特に「えんぴつの持ち方」を見直してほしいと語るのは、作業療法士でNHKの教育番組にも出演する、神奈川県立保健福祉大学の笹田哲先生。幼児期に大切にしたい「書く」を支える力について話を聞きました。

    字を書く以前に大切な「えんぴつ」の持ち方

    小学生になるとえんぴつを握って、先生が黒板に書く文字をうつしたり、連絡帳に翌日必要なことをメモしたり、「書くこと」が日常になる学校生活がスタートします。

    4月に入学を控えたお子さんがいる家庭では、成長がうれしい一方で、「よみ・かき」に対する練習をしておこうと考えているかもしれません。しかし、笹田先生は、まずは書く力の根っこにある部分に目を向けてほしいと語ります

    「じつは、字を書くことが嫌いになってしまう原因に、『えんぴつを使いこなせていない』ことが大きく関係しています。うまくえんぴつが持てないから、字がキレイに書けないのです。

    えんぴつを持つ力が入りすぎたり、逆に力が入らなかったりするだけで、字形に歪みが出て、乱れてしまいます。

    意外とそのことを知らないまま、子どもにひたすら書く練習をさせている家庭や学校現場は少なくありません。

    親や先生からの『そんな字じゃだめでしょ』という指摘も、子どもの‟書く”に対する苦手意識を助長してしまいます。学力の意欲にも影響が及ぶので、非常にもったいないと感じています」(笹田先生)

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    幼児期に「書く力」のベースを育む
    3つのポイント

    まずは“美しい文字を書こう”とするのではなく、“楽しく書く”ことが大切、と笹田先生。じつは、遊びの中に、えんぴつの持ち方や動かし方のベースになる要素がつまっているといいます。

    手の動かし方が身につく「お絵描き」や「描画遊び」

    「幼児期は、体を使って大きく書くという習慣によって、えんぴつで書くときに大事な運筆(うんぴつ)が安定します。

    運筆とは、自由自在にえんぴつを運び、動かすこと。運筆力が身についていないと、筆圧もうまくかけられないし、字形も整いません」(笹田先生)

    親としては子どもが幼児期から名前や数字など、ひたすら文字を書けるように、と考えがちですが、実はその前に書く力のベースになる手の動きが大切なのだそうです。

    「文字を認知して書くということよりも、線をなぞったり、曲線を動かしたりして書くことが重要です。

    書き慣れていない子どもたちにとって、小さいマス目に字を書くことは、意外と難しい。ひらがなを書く練習よりも、三角の形やうずまきを書くほうがずっと効率よく、運筆力が育ちます。迷路ブックをやってみるのもいいですね。

    また、お絵描きはぜひ積極的に取り入れてほしい遊びです。

    キャンパスの上を思いっきり自由に、外へ外へと大きく描く経験が、えんぴつを持って動かすベースになるのです」(笹田先生)

    指先の「分離機能」を育てる‟かかない遊び”も重要

    ほかにも、指先を使った遊びも大切にしてほしいと笹田先生。

    「幼児期の子どもは、指の力も弱く、指先1本ずつを独立させて動かすような“分離機能”も未発達です。まずは、字を書くことを‟学ぶ”よりも、体を使って‟遊ぶ”ことを大事にしてほしいですね。
    たとえば、ブロックを使った遊びでは、えんぴつをつまむ指先の力が育ちます。チラシや古新聞をくしゃくしゃにする遊びは、握るときに手首にグッと力が入るので、手首の使い方が身につきます。

    子どもたちってこういう動作が大好きですから、『どっちが小さくまるめられるかな?』と、ゲーム感覚で親子でチャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか」(笹田先生)

    子どもが持ちやすい「えんぴつ」を選ぶ

    また、使うえんぴつをひと工夫するだけで子どもの指になじんで書きやすくなるのだとか。

    「えんぴつは“六角形”と、固定観念で考える必要はありません。えんぴつは3本の指で支えるので、三角形のえんぴつは、人間工学的に考えても、持ちやすくなっているんですよ。

    とくに幼児期は、太めのものを選ぶと指にもフィットしやすいし、お子さんも持ちやすく書きやすいと思います」(笹田先生)

    指がすべりやすい場合は、えんぴつ関連のサポートグッズを使うのもひとつの方法です。先生はほかにも、輪ゴムをえんぴつに巻きつけるだけで、指が前に滑らず持ちやすくなるというアイデアも教えてくれました。

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    親子で楽しく「書く経験」を積み重ねよう

    「今の子どもたちを見ていると、指先や腕に力が入り過ぎている子が非常に多くいます。それでも書くことはできるのですが、正しい持ち方に比べて疲れやすくなったり、時間がかかったりしてしまうんですね。

    テストなどは今も筆記が主流ですし、書くことはこれからもずっと続いていくもの。そう思うと、遊びや習慣の中で運筆力を身につけておくことは、プラスにしかなりません。えんぴつの芯がクックッと動かしやすくなれば、圧倒的に書きやすくなり、勉強の効率もアップします。

    保護者の方には、ぜひ、子どもの書いた字に対して、上手かどうかで判断するのではなく、『素敵だね』と声をかけてあげてほしいですね。前向きな気持ちで接していれば、きっと文字を書くことが大好きなお子さんになると思います」(笹田先生)

    お話をきいた人:笹田 哲さん
    神奈川県立保健福祉大学 リハビリテーション学科学科長。作業療法学専攻 教授。作業療法士。博士(保健学)・修士(心理学)。作業療法と学校・園の連携を研究テーマとし、これまで学校・園を数多く訪問して、子どもたちの発達支援に取り組んできた。NHK「ストレッチマン」の番組企画委員も務める。

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