「読み聞かせ」ではなく「読みあい」が子どもの心を育てる
まず、絵本を読むことで得られる効果にはどのようなものがあるのかを、仲本先生に伺いました。
「保護者の一番の願いは、“この子が幸せであってほしい”ということなのではないでしょうか。絵本には、子どもが今だけでなく将来にわたって自分らしい幸せな人生を追い求める力を身につけられる要素が詰まっています。自分らしい人生を追い求める力は、“非認知能力”とも呼ばれます。そのほかにも粘り強く挑戦する力、コミュニケーション力、人とともに協同する力、自分の考えや思いを伝える力などが挙げられます」(仲本先生)
仲本先生は、「読み聞かせ」ではなく「読みあい」という言葉を使って、絵本を読む大切さを伝えています。 「読みあい」とは、どのようなものなのでしょうか。
「お子さんが低月齢のうちほど、絵本との出会いには大人の介在が必要です。赤ちゃんの頃は、絵本を用意したり選んだり、環境をつくっていくのは大人ですよね。そういった過程も含めて、絵本を読む場では大人も一緒に楽しんでほしいと思っています。“聞かせる”という一方的なものではなく、互いに『しあう』という視点を持つことで、双方にコミュニケーションが生まれます。これが、楽しむ上での基本。『読みあう』ことをすれば、お子さんと表情を交わしあうことになりますし、言葉を交わしあったり動作を交わしあったりすることにもつながります。 これは、お子さんが、相手にも考えがあるということやお互いの感情が違うこと、人の内面を知っていくことを学ぶプロセスにもなります」 (仲本先生)